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りそな社長:米ウェルズ・ファーゴをモデルに国内リテール重視

更新日:2015/03/12

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NL0U806KLVRT01.html

 

(ブルームバーグ):りそなホールディングス の東和浩社長はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、今年6月にも実現する公的資金完済後の銀行像として米銀ウェルズ・ファーゴを挙げた。個人向け(リテール)や中小企業向け業務を重視して収益を拡大するビジネスモデルを追求していく方針だ。

東社長はウェルズ・ファーゴについて「リテールを淡々とやって収益力を高め、時価総額で世界一にある。われわれは規模より戦略がぶれないところを見習いたい」と述べた。その上で「国内リテールにフォーカスする」とし、完済後も従来通り三菱UFJフィナンシャル・グループ など国際展開を進めるメガバンクとは一線を画す考えを示した。

ウェルズ・ファーゴ は個人預金をベースにリテールや中小企業、不動産融資業務に注力。地銀買収を繰り返しながら規模も拡大し、現在は海外事業も手掛け、銀行では時価総額トップの総合金融グループとなった。東社長は経営の自由度が高まる公的資金完済も、首都圏や大阪などの傘下銀行を通じて個人、中小企業向け事業を重視する姿勢だ。

りそなはバブル崩壊後の不良債権処理で2003年の実質国有化までに総額3兆1280億円の公的資金注入を受けた。これまでに利益の積み上げや増資などで3兆円を返済し、2月下旬には6月の株主総会後の完済計画を公表した。同時に発表した4月からの新たな中期経営計画には株主資本利益率(ROE)向上目標などを盛り込んだ。

BNPパリバ証券の鮫島豊喜シニアアナリストは、りそながウェルズ・ファーゴを参考にすることについて「スーパーリージョナルバンクとして目指すものは共通のものがある。方向性は間違っていない」と評価。公的資金完済後の融資増強について、「りそなは関西圏に比べてシェアが低い首都圏でまだ成長できる余地はある」とみている。

相続・事業承継

東社長は日本ではアベノミクス効果で「資金需要は今より盛り上がってくる」と予測。少子高齢化が進む中でも「相続や事業承継のニーズは高く、われわれのマーケットは拡大している」と話し、リテール、中小向けである業務で4月以降に担当者を1割増員して300人とし、支店長クラスの約600人との計1000人体制で営業を強化する計画を示した。

また、東社長は国内では不動産関連など「まだまだやれていないところがあり、開拓余地はある」と語った。りそなの新中計では18年3月末までの3年間で中小企業貸し出し残高を約1兆1200億円上積みして10兆3300億円に、住宅ローンは同1兆2500億円増の11兆2900億円の目標を設定しているが、社長はこの達成に自信を見せた。

アジアの商銀などとの提携を進める海外戦略について東社長は「日本が中心で非日系企業への融資を増加させていく考えは全くない」と言明。現地通貨での融資が可能な「国際基準行への変更も考えていない」という。自社株の割り当てを決めた第一生命保険と日本生命保険以外の生保などとの資本提携は「今のところ考えていない」と述べた。

東社長は今後の株主還元について、資本支援のため保険会社に引き受けてもらっている1750億円の優先株を買い戻し、その配当分を普通株に回せば「増配の余地はある」と語った。優先株の買い戻し時期については、今後の規制動向や経済環境を見極めながら判断すると述べるにとどめた。りそなは新中計で増配と中間配当制度の導入を決めている。

東社長は公的資金完済のめどがつき「ほっとする部分もあるが、これから気合を入れていかなければならない。返し終えた後が重要だ」と気を引き締める。